ゆら(2016)

clarinet solo

6'


クラリネット独奏のための作品。「ゆら」は古語で「玉などが触れあって鳴る音(広辞苑)」を意味しますが、同時に「ゆらぎ」「ゆらゆら」などのニュアンスも含めています。

 曲自体は三つの部分がそれぞれ五―七―五の小部分から成り立っており、日本語の韻文構造を参照しています。中音域の弱音から「ゆらり」と始まる音楽は、徐々に空間を広げてゆき、激しく揺れ動いたのちに、最高音域と最低音域に収束していきます。一つの音の「ゆらぎ」のような小さな単位のものから、時間軸の「ゆらぎ」のような大きなスパンのものまで感じていただければ幸いです。

(初演時の解説文)

 

初演:

2016.9.2 @東京藝術大学第2ホール

鈴木ひとみ

 

受賞:

第17回弘前桜の園作曲コンクール 一般部門第1位

2019.4.28 @弘前文化会館

照沼夢輝